10.09.2006

[Life]プロのお仕事-靴修理のおじいちゃん-

業種を問わず、プロフェッショナルな仕事をしている人との話がとても好きです。
本当に自分の仕事に誇りを持っている人たちの大部分は、自分の技術や知識を分け与えてくれるものだと思っています。
だから、業務妨害にならない程度に質問をしてみたいと思うことがままあります。
お願いするのは無料。うまくいけばプロの仕事内容を聞くことができる。これは換えがたい体験です。
(レストランでは、おいしい料理のレシピをきいてしまいます)
昨日は靴職人さんのお話を聞くことができました。

気に入っていた靴のかかとが磨り減ってきていたので、おじいさんがやっている古い靴修理屋さんに行ってきました。
消えかかった製靴店の看板が元は靴を作る職人さんだったであろうことを想像させますが、店とはいえないような修理台しかないたたきを見ると、修理もほとんどないのではといつも思っていました。
靴を出したところ、悲しそうに「最近の若い人は靴も満足に手入れできないんだよね・・」とボソッと言われました。
いつも黙々と仕事を終えるおじいさんがそんなことを言ったので、チャーンス! 
「だれも教えてくれる人がいないんです。教えてくださいませんか?」とお願いしました。
最初は本気で言っているんだろうか?という顔をしていましたが、とつとつと話しはじめました。
どんなものを使えばいいのか、どんなものを使ってはいけないのかから始まって、手入れの方法をやってみせてくれました。
まったく間違っていた自分の方法に唖然としましたが、縫い目までピカピカ。新品のようです。
靴の修理をする間いろんな話を聞くことができました。
  どんなものが歩きやすいのか。
  かかとに対して、ヒールのつき方の問題。
  ソールの材料の話。
  色のつけ方の簡易化の話。などなど。
外は雨がざーっと振っていましたが、店の中で本当に面白い話を聞くことができたなぁ。
帰り際、歯が半分以上抜けたおじいさんの笑顔を見ながら、靴職人が盛岡に日本に何人残っているんだろうとちょっと寂しくなりました。