映画「あかね空」の好評で初めて知った山本一力作品のひとつ、「梅咲きぬ」を読みました。
日ごろ、「上品な人間になりたい」だけではなく「上品な人に見られたい」といやらしいことを考えて生きているのですが、この作品に日本女性の品性を見ました。
江戸屋という料理屋の跡とり娘 玉枝 が多くの大人の背中を見て育って行くのですが、踊りのおっしゃん(お師匠さん)に言われた一言がわたしの胸をぐさっと突きました。
「つらいときは、好きなだけ泣きなはれ。足るだけ泣いてもよろし。そやけど自分が可哀想やいうて、あわれむことだけはあきまへんえ。それは毒や。つろうて泣くのとあわれむのはちがいますよってな。」
年をとってもすぐに感情的に泣いてしまうわたしにとって
①泣いてもいいということ
②だけど自分を哀れんではいけない。
という言葉は、自分の勉強になりました。
いつも泣いてしまう理由が「なんでわたしばっかり・・」ということばかり。
ネガティブにしかならないですね。
自分を哀れむことをやめたら、「つらけりゃいつでも泣ける」と腹をくくって前を向いて生きていけますものね。
結婚してても、していなくても
子供がいても、いなくても
みんな誰でもそれぞれの悩みがあります。
それでも、まっすぐすっと前を向いて立っていける女性は素敵だと思いました。
さて、「自分を哀れまない」ということだけでも、小さな、だけど難しい心がけをこれからやっていけば、いつかわたしの梅も静かに咲くでしょうか。